「ものを見るための器官」であるのは当然ですが、しかし、実は目だけでものを見ることはできません。「見る」という行為には、情報を収集する「目」とこれを映像化する「脳」、そして両者をつなぐ「神経」が必要です。
受像機( テレビ)とテレビカメラの関係を考えてみてください。いくらカメラが情報を集めても、受像機がなければ映像は映りません。つまり、目をカメラに、脳は受像機に、神経は両者をつなぐコードにたとえることができるのです。
では、目というカメラは、どのような情報を集めているのでしょうか。ものを認識するためにもっとも大切な情報は、「形」「色」「明るさ」という3つです。これらをうまく集めるには、適切な見る力「視力」と見える範囲「視野」が備わっていなければなりません。
もうひとつ重要なのは、2つの目で見るということです。これを「両眼視機能」といいますが、2つの目で見ることによって、目でとらえる映像に立体感と遠近感が生まれるのです。
たとえば、片目をつぶって両手の人差し指の指先同士を付けようとしてもなかなかうまくいきませんが、両目をあけてやれば実に簡単なことです。これは両眼視によって遠近感がつかめるからです。ほかにも2つの目でないと得られない機能があり、正しくものを見るためには、2つの目が必要な情報を過不足なく集めなければなりません。
目の機能
視力・視野に関する機能
- ものの形をとらえる「形態視」
- 色をとらえる「色覚」
- 明るさをとらえる「光覚」
両目で見ることで得られる機能(両眼視機能)
- 「立体感」と「遠近感」
- 左右の視線を同時に集中させて、より正確な資格情報を得る「同時視」
- 左右の目で微妙にズレのある像を1つにまとめる