多くの女性の悩みである、 冷え性 肌荒れ 薄毛 体重増加 は、甲状腺ホルモンの問題かも しれません。
これらは一見、 女性ホルモン の低下による 更年期障害 の諸症状のように見えます。確かに エストロゲン優勢 の悪影響と関連しているものばかりですが、いずれも、 甲状腺機能 が病的に低下している 「 甲状腺機能低下症 」 や、 「 副腎疲労 」 によって引き起こされているケースも少なくありません。
副腎疲労 と 甲状腺機能低下症 の主な症状は 「 疲労感 」 なので、詳しく調べてみないと、どちらが原因かはっきりしませんが、ある程度目安となる傾向を挙げておきましょう。
副腎疲労 は、早朝と昼下がりが特に疲労感が強く夕方は調子が良くなる、カフェイン、塩分、糖分がほしくなる、といった傾向があります。
一方、 甲状腺機能低下症 は、 1 日中労感があり、こちらもカフェインと糖分を好む傾向があります。
ですから、もしも、 冷え性 や 肌荒れ 、 薄毛 、 体重が減りにくい などの症状があり、 1 日中疲労感があって、やたらと甘いものがほしくなるようだったら、それは 甲状腺ホルモン が低下しているのかもしれません。
甲状腺機能 が落ちてくると、代謝が悪くなり、熱が作れなくなります。ですから、平熱が36.3 度以下の低体温の人や冷え性の人は、甲状腺機能が低下している可能性が高いのです。
乾燥肌とそれに伴うかゆみも、 甲状腺ホルモン 不足で起こりがちな症状です。
爪がもろくなってしまう人も見受けられます。また、毛が細くなったり、薄くなったりする女性は、40代半ばくらいから増えはじめますが、こちらも 甲状腺 と関係しています。 プロゲステロン を補充すると良くなることもありますが、中には 甲状腺ホルモン の不足が原因で、そちらを改善しないと効果が出てこない方もいらっしゃいます。
もし薄毛が気になりはじめたら、女性ホルモンのことだけではなく、 副腎 や 甲状腺 をいたわることも忘れないでください。
ちなみに、髪の毛の 9 割は ケラチン というたんばく質でできていますが、成長を促すためには、 ビタミンB群 ビタミンC ビタミンD 亜鉛 銅 鉄 などのミネラルが関係しているので、食事にも注意する必要があります。
さらに、甲状腺の機能が低下すると甘いものがほしくなるため、これが肌の新陳代謝を乱し、吹き出物や肌荒れを引き起こすことがあります。
糖分のとり過ぎにより腸内環境が乱れ、便秘を起こすこともあるようです。当然、肥満の原因にもなります。
このように、甲状腺機能低下による諸症状は、いずれも、見た目の若さと精神状態に大きく影響する、女性にとって深刻な問題ばかりです。 甲状腺ホルモン が女性にとっていかに大切なホルモンか、おわかりいただけたのではないでしょうか。