女性の老化防止の習慣

PMS 更年期 も ホルモンバランス の乱れが原因

女性ホルモン は、女性を守ってくれるだけでなく、辛い症状を引き起こす PMS 更年期 の原因にもなってしまう エストロゲン 。 エストロゲン が女性のからだにマイナスに働くこともあることも忘れてはいけません。

PMS 更年期
PMS 更年期

エストロゲン の悪影響がからだに出る、もっとも身近な問題が、 PMS でしょう。 PMS とは、排卵が終わり生理が近づいてくると、イライラする、甘いものが食べたくなる、胸が張って痛くなる、頭痛がする、便秘になる、肌が荒れる、眠気がするといった不快な症状が表れます。おそらく、ほとんどの女性が多かれ少なかれ経験したことがあるでしょう。

PMS が起きれば、普段はつらつとしている女性であっても、機嫌が悪くなったり、仕事がうまく進まなくなったり、家族とケンカになったりすることが増えてしまいます。自己嫌悪に陥って、余計に気落ちしてしまう方もいらっしやいます。

PMS の原因は完全には解明されてはいませんが、エストロゲン優勢状態によって引き起こされるという説が濃厚です。そのメカニズムを簡単に説明します。

生理がはじまってから排卵までの約2週間は、 エストロゲン のほうがやや高い状態で、 エストロゲン 、 プロゲステロン ともに低いバランスで保たれています。生理開始から2週間くらいが経ち、排卵の時期が近づくと、 エストロゲン が急上昇し、一瞬 エストロゲン 優勢状態になるため、少し調子が悪くなることがあります。

しかし、排卵が起こると、 プロゲステロン が上がってきて、 エストロゲン を追い抜き、それから約2週間は基本的に プロゲステロン優勢状態 になります。この時期は、エストロゲンもプロゲステロンも高い値で安定しているため、体調も良好です。

しかし、生理前になると、今度は エストロゲン も プロゲステロン も急激に下がってくるため不調を感じる人が増えます。そしてこのとき、 プロゲステロン の減少が早く、また顕著な人に、 PMS が強く起こるのです。実際、 プロゲステロン が常にしっかり出ている方には PMS が少ないことがわかっています。

さらに、閉経の前後5年に起きるといわれている更年期障害にも、ふたつのホルモンの減少と、 エストロゲン 優勢状態が深く関係していると考えられています。誰しも年を重ねると、 エストロゲン と プロゲステロン の量は徐々に低下していきますが、普通は プロゲステロン が先に落ちていくからです。

そもそも プロゲステロン の大部分は、排卵された卵胞が子宮内で黄体に変化したあと、そこで作られています。つまり、排卵が起こらなくなってくると、 プロゲステロン は激減し、閉経が近づくにつれてほぼゼロに近くなっていくのです。

しかし、 エストロゲン のほうは、量が減ってもゼロになることはほとんどなく、ある程度は体内で作られ続けます。そのため、閉経の時期が近づいてくると、「エストロゲン優勢」の状態が数年間続くことになり、精神不安、頭痛、肩こり、胃腸障害といった、更年期の不快な諸症状が引き起こされてしまうのです。

 

大事なのは エストロゲンとプロゲステロンのバランス にある

エストロゲン プロゲステロン については紹介しましたが、女性ホルモンといえば、 エストロゲン をイメージする人が大半です。 プロゲステロン は知らない方でも、 エストロゲン という言葉を聞いたことがないという女性は、まずいないと思います。大事なのは、エストロゲン プロゲステロンのバランスです。

エストロゲンとプロゲステロンのバランス
エストロゲンとプロゲステロンのバランス

そして、日本には「エストロゲンを増やす! 」と銘打った記事や、サプリメント・健康食品などであふれています。そのせいか、「 エストロゲン は多ければ多いほど若さが保てる」と信じて疑わない方が少なくありません。

しかし、結論からいうと、決してそんなことはありません。エストロゲンは非常に強力なホルモンですから、薬の副作用のように、からだに良い効果だけでなく、悪い影響を与えてしまうことも多いのです。

エストロゲン によって引き起こされる悪い影響は、実は意外にたくさんあります。

一例を挙げてみましょう。 子宮内膜がん や 乳がん のリスクを高める、 甲状腺ホルモン の機能を妨害する、血管の質を落とす、血栓ができやすくなる、体脂肪を増加させる、塩分や水分を体内にため込む、血糖値のコントロールを弱める、自己免疫疾患の引き金になる、不安感を増す、頭痛を起こす、パニック発作の原因となる、などです。

さらに、エストロゲンには性欲を減退させる作用まであるのです。みなさんが抱いていたイメージとは、かなり違っていたのではないでしょうか。

そもそも エストロゲン は、正確には エストロン 、 エストラジオール 、 エストリオール の3 つの女性ホルモンの総称です。

このうち、女性のからだに恩恵をもたらしてくれるのは、主に エストリオール です。 エストロン と エストラジオール については、体内で代謝されるときに発がん物質が作られる可能性が指摘されているのです。

では、いったい、 エストロゲン は、どれくらい体内にあればよいのでしょうか。残念ながら、その間いに、簡単に答えることはできません。

なぜなら、女性の若さと健康にとってもっとも大事なことは、エストロゲンの量そのものではなく、 エストロゲン ともうひとつの女性ホルモンである プロゲステロン が、適度なバランスを保っていることだからです。

実は、  エストロゲン の悪影響は、 エストロゲン が プロゲステロン より多い状態が続くと起こりやすくなります。これを「 エストロゲン優勢状態 」といいます。

そもそも若く健康な女性は、エストロゲンもプロゲステロンも十分に分泌されていて、しかも、互いにちょうど良いバランスを保っています。

しかし、どちらのホルモンも、加齢とともにどうしても量が減っていきます。このとき、両方が同じくらいの割合で減っていくぶんには、ふたつの ホルモン のバランスは保たれているので、からだにそれほど大きな悪影響は出ません。ところが、 プロゲステロン がたくさん減ってしまい、それに比べて エストロゲン の減りが少ない場合は、 エストロゲン の悪い影響がからだに表れやすくなります。この、 エストロゲン 優勢状態こそが、女性にとって辛いさまざまな症状を引き起こし、心とからだを老けさせてしまう大きな要因なのです。