女性のうつ病 > 2018年 > 6月

うつ病の症例 9「 微熱が下がらない 」

微熱

しつこく続く微熱は うつ病 の始まり?

【Uさんの場合】
昨年の冬に2代目歯科医の男性とスピード結婚したUさん。周囲からは、とてもうらやましがられました。ところが、生活していくうちにどうしても夫の家族としっくりいかず、夫のマザコンぶりにも幻滅していきました。
結局、結婚してからわずか半年で、5月に離婚となってしまいました。Uさんは身のまわりの整理をして実家に戻ったものの、疲れが出たのか、6月に入ってからは、毎日37℃ 台の微熱が続き下がりません。風邪薬を飲んでも効かずイライラすることが増えました。

心身の疲れが微熱によってあらわれる人もいます。ふつう微熱が下がらなければ、風邪やほかの内科の病気が疑われます。ところが、血液検査などいくつかの検査をしてみてもどこも悪くないのに37℃ 台の熱が続き、通常の解熱薬や抗生物質を飲んでも効かないことがあります。

このような場合は、うつ病からくる微熱が考えられます。自律神経機能や免疫機能に何らかの異常が起きているために、熱がなかなか下がらないのです。午後から夕方にかけてやや熱が上がり、全身がだるくなることもあります。

離婚のストレスがうつ病の原因

Uさんのように短期間で結婚、離婚と環境が大激変すると、とても大きなストレスを受けます。しつこく続く微熱は、うつ病の始まりの可能性があります。微熱なので周りからはさほど症状が悪いように見えません。でも、本人は体のだるさを強く感じ、かなりつらいもの。内科の風邪薬がきかず、ほかに特定の原因が見あたらなければ、一度、心療内科を受診してみることです。うつ病が原因なら、抗うつ薬の処方で改善してきます。

湿度の高さは自律神経に影響を及ぼす

Uさんの離婚が一段落した6〜7月の梅雨時は、湿度が高く気温も不安定で、体に影響を及ぼします。体温の調節などを司どる自律神経が不安定になるので、自律神経失調症になりやすいのです。
梅雨時に体調を崩しやすい人は、5月の連休にしっかり休んでエネルギーを補充し、6月に備えましょう。離婚などの大きなストレスには、大きな負のエネルギーを使います。本当に立ち直るには時間がかかります。ムリをせずゆっくり休むと同時に、ウオーキングなどのリズミカルな運動を始めてみましょう。筋力や自律神経が強くなり、不快な気持ちをやわらげる脳内神経伝達物質セロトニンも増やします。

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うつ病の症例 8「 動悸がして息苦しくなる 」

うつ によって起こる 動悸 息苦しさ

【Yさんの場合】
派遣社員として新しい職場に入ったYさん。これまではごくごく順調だったのですが、今度の職場では、派遣はYさんひとりしかいませんでした。

女子社員同士の結束が思った以上に固く、派遣のYさんには誰も声をかけてくれません。ランチタイムも無視されて、ひとりぼっちです。
この1ヶ月は通勤電車に乗ると急に息苦しくなり、心臓がドキドキして、途中で降りてしまい遅刻したこともあります。今朝は、駅の近くに行くだけで動悸がおさまりません。結局、電車に乗れず、ついに会社を休んでしまいました。

心臓や呼吸器に特別な病気もなく、恐ろしい目にあったわけでもないのに、動悸や息切れ、息苦しさ、めまい、手足や体のふるえなどに突然見舞われることがあります。

こういった体の症状が5~20分程度続くのが パニック発作 です。発作が起こると、死んでしまうのではないかといった強い不安に襲われ、さらに発作を繰り返す 『 パニック障害 』 になり、ときには救急車で運ばれることもあります。パニック障害 の詳細はこちら

こうした症状は、脳内神経伝達物質のノルアドレナリンが過剰に分泌されたために起こる状態。ノルアドレナリンはストレスを感じたときに分泌され、神経を興奮させます。

発作を何度か経験すると、今度は「電車に乗ったらまた発作が起きるのでは」と思うようになり、通勤とは関係なく電車に乗ること自体が恐怖になってしまいます。そして、電車だけではなく、エレベーターや映画館など狭い空間がダメと、不安対象の場所が広がってしまう場合もあります。こうなると、何に対しても自信がなくなり、消極的になり、最悪の場合は引きこもりがちになり、退職に追い込まれかねません。

ほうっておいて回復できずにうつ病になってしまうこともあります。パニック発作は、心臓発作に似ているので、発作が起きたときに死んでしまうのでは? と強い不安をもつ人が多くいます。でも、この発作で死んでしまうことはないので、安心してください。発作を繰り返すようなら、専門医を受診し、抗不安薬や抗うつ薬で気持ちを落ち着けます。

パニック障害 は治療をすれば、必ず治ります。薬がよく効きますから、 うつ病 になる前に対処すれば、通常は6ヶ月くらいの治療で済むでしょう。

電車に恐怖を感じているなら、家から駅前のポストまで行く、駅に行く、電車に乗るというように、少しずつ段階を踏んでならしていくとよいでしょう。

ひとりで頑張りすぎない

専門医を受診すれば、さまざまな療法を指導してくれます。
同時に、職場の問題などが背景にあるなら、それを解決することも大切です。Yさんのように、派遣社員ということで孤立感を感じているなら、自分で引いた境界線を取り払い、勇気を出して自分から声をかけてみましょう。こちらが好意を示せば、相手が変わる可能性も大きいです。もちろん、どうしても改善されなければ、ムリはせず、派遣元に相談して派遣先の職場を変えてもらいましょう。
頑張りすぎからパニック発作が起こることもありますが、睡眠中に突然、不安に襲われドキドキするのもパニック発作のひとつです。

気力、体力ともに全開で頑張っているため、緊張状態が続き発作が起きるのです。一生懸命、仕事に取り組んでいるのに周りから評価されない、それどころか苦情まで言われるのはつらいことです。通勤はできていても、発作が繰り返し起こるようなら、専門医で適切な薬を処方してもらいましょう。

仕事の場では、100 % の力で取り組んだ仕事が、そのまま 100 % と評価されることはなかなかありません。多くの人から認めてもらうには、120% の頑張りが必要かもしれません。でも、いつも120% の頑張りでは、当然心身ともに疲れきってしまいます。完壁でなくともよいと割りきる姿勢も大切。心の余裕を残しておきましょう。

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うつ病の症例 7「 皮膚がかゆい、荒れる 」

じんましんの多くは、草木にかぶれた、食べ物にあたった、あるいはアレルギーの持病が原因と思われますが、それだけではありません。ストレスが原因で、慢性的なじんましんや、皮膚にかさぶた様のものができ 尋常性乾癖 ( じんじょうせいかんせん )などにかかることがあります。大人のニキビやカサカサ肌も、ストレスの影響でホルモンの分泌が乱れて起こることがあるのです。

ストレスが原因の皮膚炎

【Aさんの場合】
人づきあいも恋愛も上手なAさんは、いつも自分が主導権をとり、別れるのも自分からでした。ところが、ある時、自慢の彼氏に突然、別れを告げられたのです。
「どうして!?」といくら考えても答えは出ず、しばらくするとAさんの皮膚に異変があらわれました。頭皮や、ひじ、首筋などが赤くなり、白いカサブタのようなものがくっついているのです。かゆみも少しあります。これは、じんましん? かぶれ? Aさんには心あたりがありませんでした。

かゆみは少ないのですが、ひじや膝の裏、頭皮、首筋などの皮膚の一部が円形に盛り上がり、その上に白いカサブタのようなものがはりつきポロポロむけてくる…。

Aさんのような症状は、尋常性乾癬( じんじょうせいかんせん )という皮膚疾患です。

ストレスを受けると、細菌から体を守ろうとする免疫機能、皮膚のバリア機能も低下します。そのため、肌が荒れたり、さまざまな皮膚の病気にかかりやすくなるのです。

Aさんは、恋愛依存症気味。つねに自分をまるごと受け入れてくれる父親のような役割を恋人に求め、転々と相手を変えています。こういった女性には、失恋は大打撃、大きなストレスとなります。同様に、仕事や受験の ストレス から じんましん が出るケースも珍しくありません。

皮膚科でなかなか治らなければ心療内科の受診を考える

なかには、かゆくて眠れないほどの慢性じんましんに悩まされる人もいます。また、ストレスでホルモンの分泌が乱れると、皮脂の分泌量や水分量が変化してニキビもできやすくなります。1ヶ月以上かゆみが続く、皮膚科の治療ではなかなか治らない、などといった場合には、心療内科を受診し適切な治療を受けましょう。

肌トラブルを抱えていると、かゆみなどの不快感だけではなく、人目が気になって引きこもりがちになります。疲れたなと思ったらすぐ休み、かゆみの原因になる熱いお風呂やお酒の飲みすぎも、よくなるまでは控えたほうがよいでしょう。

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