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うつ病の症例 9「 微熱が下がらない 」

微熱

しつこく続く微熱は うつ病 の始まり?

【Uさんの場合】
昨年の冬に2代目歯科医の男性とスピード結婚したUさん。周囲からは、とてもうらやましがられました。ところが、生活していくうちにどうしても夫の家族としっくりいかず、夫のマザコンぶりにも幻滅していきました。
結局、結婚してからわずか半年で、5月に離婚となってしまいました。Uさんは身のまわりの整理をして実家に戻ったものの、疲れが出たのか、6月に入ってからは、毎日37℃ 台の微熱が続き下がりません。風邪薬を飲んでも効かずイライラすることが増えました。

心身の疲れが微熱によってあらわれる人もいます。ふつう微熱が下がらなければ、風邪やほかの内科の病気が疑われます。ところが、血液検査などいくつかの検査をしてみてもどこも悪くないのに37℃ 台の熱が続き、通常の解熱薬や抗生物質を飲んでも効かないことがあります。

このような場合は、うつ病からくる微熱が考えられます。自律神経機能や免疫機能に何らかの異常が起きているために、熱がなかなか下がらないのです。午後から夕方にかけてやや熱が上がり、全身がだるくなることもあります。

離婚のストレスがうつ病の原因

Uさんのように短期間で結婚、離婚と環境が大激変すると、とても大きなストレスを受けます。しつこく続く微熱は、うつ病の始まりの可能性があります。微熱なので周りからはさほど症状が悪いように見えません。でも、本人は体のだるさを強く感じ、かなりつらいもの。内科の風邪薬がきかず、ほかに特定の原因が見あたらなければ、一度、心療内科を受診してみることです。うつ病が原因なら、抗うつ薬の処方で改善してきます。

湿度の高さは自律神経に影響を及ぼす

Uさんの離婚が一段落した6〜7月の梅雨時は、湿度が高く気温も不安定で、体に影響を及ぼします。体温の調節などを司どる自律神経が不安定になるので、自律神経失調症になりやすいのです。
梅雨時に体調を崩しやすい人は、5月の連休にしっかり休んでエネルギーを補充し、6月に備えましょう。離婚などの大きなストレスには、大きな負のエネルギーを使います。本当に立ち直るには時間がかかります。ムリをせずゆっくり休むと同時に、ウオーキングなどのリズミカルな運動を始めてみましょう。筋力や自律神経が強くなり、不快な気持ちをやわらげる脳内神経伝達物質セロトニンも増やします。

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