妊娠経験のない人は、より注意が必要 ということはどういうことでしょうか?最近は、生涯、妊娠・出産を経験しない女性も決して少なくありません。
よく、「出産していない女性は、している女性に比べて、婦人科系の がん など、病気になりやすい」といわれていますが、それは、なぜなのでしょう。
理由はやはり、 エストロゲン優勢状態 にあります。 プロゲステロン は、妊娠と出産において非常に重要な役割を果たすホルモンであり、子宮内膜を維持する働きをしています。
毎月、排卵があっても妊娠しない場合、一度上がっていた プロゲステロン の分泌が急激に下がることで、子宮内膜が体外に排出されます。これが生理です。ですから、卵子が受精し、着床すると、子宮内膜が排出されないように、プロゲステロン はその後も分泌され続けることになります。
さらに、胎盤ができると、そこで プロゲステロン が作られ、以降は出産日に向けて、その生産量は桁違いに増えていきます。そして出産後、 プロゲステロン の量は急激に下がり、元の分泌量に戻るのです。
つまり、妊娠している間は、 プロゲステロン が高い値が続くので、妊娠・出産の回数が多いほど、一生のうち、体内のプロゲステロン高値の期間が長くなります。
反対に、妊娠・出産の経験がなければ、 エストロゲン優勢状態 にさらされている時間は長くなつてしまいます。 エストロゲン には細胞の増殖を促す力があり、 プロゲステロン にはそれを抑える力があります。ですから、 エストロゲン優勢状態 である時間が長ければ長いほど、どうしても 乳がん や 子宮がん のリスクは上がってしまうのです。
実際に、出産している人に 乳がん 子宮がん が少ないのは、そのためです。ただし、妊娠経験がなくても がん にならない人は大勢います。あまり神経質になる必要はありませんが、がん検診などはしっかり受けておくと安心だと思います。
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