女性の老化防止の習慣 > ふたつの女性ホルモン

血管系の深刻な病気にも悪影響

血管系の深刻な病気にも悪影響 とはどういったことでしょうか?女性の中には、年をとって女性ホルモンが低下して、多少見かけが老けたり、体力が落ちたりしても、まあ、仕方がない と、あまり気にしない方もいらっしやるかもしれません。

血管系の深刻な病気にも悪影響
血管系の深刻な病気にも悪影響

しかし、脅かすわけではないのですが、 女性ホルモン の低下が、生命に危機を及ぼす 心筋梗塞 や 脳卒中 などの一因になるということは、ぜひとも知っておいていただきたいと思います。

心筋梗塞 や 脳卒中 などは、一般に男性の方が多いと思われています。しかし実際は、閉経後の女性に限ると、発生頻度に大きな差はなくなるのです。

この事実からも、 女性ホルモン がいかに女性の健康に大きな役割を果たしているか、おわかりいただけるでしょう。

ここでも特に注目すべきは、 プロゲステロン の作用です。血管の質を良くする、血栓ができにくくする、血液の流れを良くするといった働きがあり、血管から全身の健康を守ってくれています。

これに対して エストロゲン には、血管の質を落としたり、血栓をできやすくする作用があります。ですから、 プロゲステロン が減り、 エストロゲン 優勢状態が続くと、 心筋梗塞 や 脳卒中 のリスクがぐんと上がってしまうのです。

実は、 エストロゲン には血液中のコレステロール値を下げる作用があり、かつて、エストロゲンを補充すると心臓病や脳卒中が減ると考えられていました。しかし、その後の研究でエストロゲンを補充すると、反対に血栓症が増えるということがわかってきたため、世界的に、 エストロゲン の補充は慎重に行われるようになってきました。

日本でも、平成25年、低用量ピルが原因と考えられる静脈血栓症による死亡例が3例報告され、投与に関して注意喚起がなされています。

一般に「ピル」と呼ばれている薬剤は、合成エストロゲンなどを含む人工のホルモン剤です。血管への悪影響が強く疑われているので、安全のため、使わないにこしたことはありません。

血管はもっと若返る

骨粗鬆症 はカルシウム不足よりホルモンの影響大

骨粗鬆症 はカルシウム不足よりホルモンの影響大 です。いつも背筋がピンと伸びた美しい姿勢でいる人や、足腰が強く身のこなしがしっかりしている人は、それだけで若々しく見えるものです。お年寄りでも腰がまがっていなければずいぶん若く見えるものです。

骨粗鬆症 はカルシウム不足よりホルモンの影響大
骨粗鬆症 はカルシウム不足よりホルモンの影響大

そのためには、骨が強いことは欠かせません。しかし、女性の場合、50歳を過ぎた頃から、骨粗鬆症になる人が急に増えます。多くの人が、カルシウム不足が原因と思われているようですが、

実は 女性ホルモン の減少こそが、その大きな要因のひとつなのです。骨は、 骨芽細胞 と 破骨細胞 というふたつの細胞がバランスよく働くことで作られています。

簡単にいえば、 破骨細胞 が古くなった骨を壊し、 骨芽細胞 が新しい骨を作る。そのバランスで成り立っています。そのため、 破骨細胞 の働きばかりが強くなると、いくら 骨芽細胞 が骨を作っても、骨はどんどんスカスカになってしまいます。

ここで登場するのが、 エストロゲン です。 エストロゲン には彼骨細胞を自然に死なせてしまう働きがあるので、 エストロゲン が十分にある場合は、骨が衰えていくのを抑えられます。

そして、 骨芽細胞 を増やす働きを持っているのが、 プロゲステロン です。つまり、女性は、 エストロゲン と プロゲステロン がバランスよくいい状態で保たれているうちは、骨の健康は守られているのですが、これらが減ってくると、急激に骨が弱くなっていく宿命にあるのです。

また、 更年期 に差しかかると歯が悪い女性が増えてきますが、これも、骨の健康状態の悪化と関係しています。歯は 歯槽骨 という骨によって支えられていますから、骨がぼろぼろになれば、当然、歯が抜けやすくなってしまうでしょう。

骨粗鬆症というと、カルシウム不足ばかりを気にする方が多いのですが、カルシウムを吸収して骨を強くするためには、 ケイ素 や マグネシウム といった ミネラル や、 ビタミンD や ビタミンK をとること、そして、女性ホルモンの低下を防ぐことが、女性の場合は欠かせないのです。