もしかしたら私はうつ病かもしれない…。そんな思いにとらわれたりすることはありませんか。何かとストレスの多い複雑な現代。うつに悩まされている女性は増えています。
うつは誰にもなる可能性のある「 心の風邪 」
必要以上に落ち込んだり、いらついたりといった気分は誰もが感じるものです。心が健康ならば、一晩眠ればたいていは忘れてしまいます。ところが、朝起きるとなんとなくだるくてやる気が出ない、イライラして夜も眠りが浅い…といった沈んだ気分や体調不良が長期間続くことがあります。
これが、うつ病のサインなのです。うつ病とは、別名「心の風邪」「脳の風邪」ともいわれます。ストレスが原因で心身が疲れきり、ふだんの生活に支障をきたす、さまざまな症状が出る病気です。誰もがかかる可能性を持っています。
人生の選択肢が多くなる30代女性はうつ予備軍
とくに、最近、増えているのが30代女性のうつです。現代の女性は、ひと昔前の女性と違って社会進出も進み、人生の選択肢が豊富になりました。しかし、この喜ばしいことの一方で、結婚や出産をするのかしないのか、するとしたらどのタイミングでするのか、さらには、仕事と家庭の両立、キャリアアップ、核家族のなかでの子育てや近所付き合いをうまくするにはどうしたらいいのかと、つねに何かの選択や判断を迫られています。
これらのストレスはひと昔の女性にはなかったものです。あせったり、迷ったりすることが日常になってしまい、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいるのが現代の女性。そしてそうしたストレスが原因で、うつになってしまう人が増えているのです。ストレスを自覚しない人も多く、体調不良からストレスだったんだと気づく人もいます。
たとえうつの状態が軽くても、ほうっておくと生活に支障をきたすうつ病になる可能性があります。もし、あなたが軽いうつ状態に悩んでいるなら、今のうちに何らかの対策が必要です。まず、自分のうつレベルがどの程度なのか、左ページのチェックリストで診断してみましょう。ただし、チェックリストはあくまで目安であることを知っておいてください。
あなたのうつ病レベルチェック
気分の変化だけでなく、体の不調がうつのサインになっていることもあります。以下のチェックで心身両面からうつ病のレベルを自分測定してみましょう。
- なんとなく胃腸の調子が悪い
- 便秘や下痢に悩まされることが増えた
- 大好きだった趣味が楽しくない
- 休んでも疲れがとれにくく、疲れやすいと感じる
- 頭痛、肩こり、腰痛に悩まされている
- よく風邪をひきこじらせている
- 友達や恋人に会うのが億劫になってきた
- 簡単なはずの仕事がスムーズにいかない
- 夜、なかなか寝付けず、朝の目覚めも悪い
- 食欲がなく何を食べてもおいしくない
- 理由もなく落ち込む
- 急に息苦しくなったり動悸を感じることがある
- おしゃれメイクは面倒だ
- お酒の量が増えた
- ダイエット中でないののに体重が減った
- 休みの日は何もせずにぼんやりしている
- 掃除や洗濯、入浴が億劫になった
- ほぼ毎日「仕事」(家事)を休みたい
- ちょっとしたことでイライラしたり涙が出たり気分が不安定になる
- 将来を考えると不安
うつレベル診断結果
- 0~5個(うつ病レベル)20%以下
- 心身ともに安定しています。多少のストレスはあっても、自分で上手にストレス発散をしてバランスがとれているようですね。ただし、油断は禁物。ちょっとしたトラブルや環境の変化で、軽いうつになる可能性はどんな人にもあります。ふだんから意識してリラックスタイムを確保しましょう。
- 6~10個(うつ病レベル)40%
- 心身ともに安定しています。多少のストレスはあっても、自分で上手にストレス発散をしてバランスがとれているようですね。ただし、油断は禁物。ちょっとしたトラブルや環境の変化で、軽いうつになる可能性はどんな人にもあります。ふだんから意識してリラックスタイムを確保しましょう。
- 11~15個(うつ病レベル)60%
- すでに体の不調ややる気が出ないなど、心身の不調があらわれています。これといった原因は思いあたらないかもしれませんが、仕事にも遊びにも意欲がわかなければ、すでにうつ病に陥っている可能性があります。極力、無理はせずゆっくり休む、信頼できる友だちに気がかりなことを聞いてもらう、場合によってはカウンセラーや専門医などに相談にのってもらうのもいいかもしれません。
- 16個以上(うつ病レベル)80%以上
- もし、日常生活に支障をきたしているようであれば、すでにうつ病になっている可能性があります。ほうっておいてはいけません。近いうちに、ぜひ専門医を受診してきちんとした診断をしてもらいましょう。早めに対処すれば回復も早く、もとの元気なあなたに戻れますよ。
自己診断結果はいかがだったでしょうか?病院で相談したほうがよいかどうかの判断は症状の種類や数、どのぐらいの期間症状が続いているかが目安になります。
体と心の不調が2週間以上続いているなら要注意
原因がわからない体の不調もうつ病のサイン
うつ病と聞くと、暗い沈んだ気分が続く病気と単純に思ってしまいがち。でも、それだけではありません。うつ病の症状は、体にもあらわれます。沈んだ気分になる心の症状と、原因がハッキリしない体の不調がいくつか重なって出てくるのです。
女性は男性と違って、もともと体に不快な症状が出やすい体質。ストレスがかかると女性ホルモンの分泌が乱れるため、全身のバランスが崩れやすい、筋肉量と体内を巡る血液量が少ないため血行不良になりやすい、月経で鉄分・たんばく質などの栄養素が失われやすい、などがその理由です。
体調不良になりやすい女性は、うつ病の初期サインも「体の不調」としてあらわれやすいのです。一般的によくみられる、うつ病の体の3大症状は「眠れない」「だるくて疲れやすい」「食欲がない」です。このほかに、「朝早く目が覚めてしまう」「めまい」「頭痛」「肩こり」「腰痛」「動惇」「冷え」などもうつ病のサインです。
軽いうつ病でも放置しない
心の症状で代表的なものは、「落ち込む」「やる気が出ない」「簡単なことも自分で決められない」「いままで楽しかったことが楽しくない」「何もかも自分が悪いと感じる」など。ひどくなると「死にたい」とまで思いつめます。
また、午前中は心身ともに不調なのに夕方になるにつれ少しずつ元気になる、1日のなかの気分の変動(日内変動)もあります。さまざまな心身の不調を感じても、一過性のものならば、十分な休養などでいずれ不調がとれます。
しかし、そうした心身の症状が複数あり、2週間以上も続くようなら、うつ病の可能性があります。また、軽いうつもほうっておいて長引くと、うつ病に移行するかもしれません。もし、心身の不調が原因で仕事や家事、日常生活に支障が出ているなら受診をお勧めします。