女性のうつ病 > 2018年

結婚、出産や昇進などの祝いごとがうつ病のきっかけになる

出産

失恋や仕事上でのミスや失敗、親しい人の死、病気や借金などつらいことが引き金になってうつ病になる人は多いものです。
でも、以外なことに結婚や昇進などもうつ病のきっかけになるのです。

大きな変化はうつ病のきっかけになる

うつ病になるきっかけの多くは、つらい出来事です。失恋や病気、仕事での大きなミス、家族や親しい友人の死などはショックも大きいもの。あまりにショックが大きいと、長期間、不安や失望感が続き、うつに陥ってしまいます。

ところが、意外なことに、結婚や出産、昇進など、周囲からみたら「おめでたいこと、うれしい出来事」もうつのきっかけになるのです。たとえば、キャリアアップに成功し、責任ある肩書きをもらった女性がいたとしましょう。

ところが、「こんな責任の重い仕事を私はこなせるだろうか。部下に対してリーダーシップをうまく発揮できるだろうか」と負担を重く感じ続けると、それがきっかけでうつになることもあるのです。

また、反対されていた相手とずっと夢見てきた結婚生活をスタートしたり、必死で頑張ってマイホームを手に入れたのにうつになる人もいます。環境が大きく変化し、エネルギーを使い果たしたことがきっかけになったのです。

大きなきっかけはなくともうつ病になることも

一方で、これといった大きなきっかけは思いあたらないのに、気づいたらうつうつとした気分にとらわれていた…という人もいます。

これは、日ごろから頑張ってしまうタイプの人にありがちなパターン。いままでの精神的ストレスと肉体の疲労が蓄積された結果、うつ病に陥るのです。

このように、うつというのは何がきっかけで起こるかわかりません。性格、ストレス、生活環境の変化など、いくつかの要因が複雑に絡みあってきっかけとなるのです。原因が何であっても、また、程度が重くても軽くても、うつうつとした気分にとらわれたら、「少し休みましょう」といぅサインととらえましょう。
生活をスローペースにしたり、必要なら受診をすることをおすすめします。

うつのきっかけになる大きな変化

うつ病になるきつかけには、生活環境の大きな変化があります。失恋や失業、離婚、親しい人の死などの大きな喪失体験は、心も傷つきます。反対に昇進や出産、新築など何かを得たプラス体験でも、や人間関係が大きく変わり、これもまたストレスになるのです。
うつ病になったきっかけ(私の体験談)

まじめで人当たりがいい人はうつ病になりやすい

正直

ストレスを受けることで、すべての人がうつ病になるわけではありません。うつ病には、なりやすい性格、なりにくい性格があります。
まじめで責任感が強い人だけでなく社交的で明るい人も注意が必要です。

周囲から評価される優等生タイプは注意が必要

大きなストレスはうつ病を発症するきっかけになります。でも、同じストレスを受けても、うつ病になりやすい性格となりにくい性格の人がいるのです。

うつ病になりやすいタイプは、まず、仕事熱心でまじめ、凡帳面で責任感の強い人。あるいは、人あたりがよくユーモアがあり、いつもこコニコしている人。人に何か頼まれてもなかなかノーといえず、他人からの評価が気になる人、自己中心的で未熟な性格の人もうつ病になりやすいといわれます。

仕事をしっかりこなし責任感も強い優等生タイプの人は、ふだんの社会生活の中では周囲からも信頼され高く評価されています。順調なときは問題ありませんが、大きな問題が起きたり環境が激変したりしたときは要注意です。

まじめなだけに柔軟性に欠け現状維持を好むので、変化に適応するために人一倍多くのエネルギーを費やさねばなりません。
また、人あたりのよい人は、対人関係のストレスを抱え込みがち。そのため、心身ともに疲労して、脳のバッテリー切れを起こしやすくなるのです。逆に、ふだんからムリをしない、マイペース、時と場合によってはルーズねと思われるぐらいの人はうつ病になりにくいでしょう。

うつ病になりやすい性格=悪い性格ではない

誤解しないでほしいのは、うつ病になりやすいから悪い性格、なりにくいからよい性格というわけではない点です。どんな性格にも長所と短所はつきもの。

そもそも性格はひとつの個性ですから、万人からみて短所のない100点満点の「よい性格」は存在しません。自分はうつ病になりやすい性格かもと思ったら、ストレスを避ける、リラックスする方法をたくさん持つなどして日々対応していけばよいのです。うつ病になりやすい性格の人は、ふだんは頼りになる心温かい人なのですから。

うつ病になりやすい性格?なりにくい性格

一見、正反対に見えるまじめな凡帳面タイプと人あたりがよいタイプの女性。でもどちらのタイプもそれぞれ、環境の変化に弱い、人間関係に悩みがちといった、うつになりやすいウイークポイントを持っています。

凡帳面で責任感の強い人
凡帳面で責任感が強い人は、周りからも信頼されることでしょう。ところが、その信頼を裏切つてはいけない、信頼されているのだから完壁にしなければと、頑張りすぎてしまう傾向があります。
人あたりがよくユーモアがある人
周りの人に気を遣い、いつも笑顔で「感じのいい人」というのは、頑張りすぎていることもあります。自分では気が付かないうちに、エネルギーを消耗していることもあるのです。

女性は男性よりストレスを感じやすい

男女の脳

ストレスをたくさん受けると、うつ病にかかるリスクも高まります。一見強く見える女性は男性よりもストレスを感じやすい体の仕組みになっています。

女性はストレスをやわらげる脳の物質「セロトニン」が少ない

女性は精神的に強いイメージを抱いている人も多いかもしれません。ところが、男性よりもストレスを感じやすく、その影響で体調を崩すことも多々あります。

その理由は、気分を明るくする脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌量が男性より少ないからです。セロトニンには、興奮や不快感を鎮める働きもあります。

脳がストレスを感じると、ノルアドレナリンが過剰に分泌されます。これを抑えるためにセロトニンがたくさん消費され、気分を鎮め安定させようとします。ところが、女性はもともとセロトニン分泌量が少ないため、たびたびストレスを受けると分泌が間に合わなくなり、イライラしたり不安感が増したりして、うつになりやすいのです。

さらに、女性ホルモンの影響で、生理前にはセロトニンが減ります。これが原因で月経前に落ち込みが激しくなったり、攻撃的になったりする精神症状を「月経前気分不快障害(PMDD」といい、心療内科や精神科での治療が必要です。

情報キャッチカが優れている女性の脳はストレスも受けやすい

女性特有の脳の構造も、ストレスを受けやすくしています。右脳と左の脳の間にある「脳梁」は、両者をつなぎ情報を交流させる連絡通路。この通路が、女性のほうが太いのです。

一般的に、女性はまず右脳で相手の表情や態度をキャッチし、それを素早く左脳に送り込みます。そしてたとえば、「あの人黙っているけれど、私に手伝ってほしいのね」と言語で認識し、「手伝いましょうか」とタイミングよく声をかけるのです。

相手が言葉にしなくても、感情の変化や要求を敏感に察知できるのが女性の脳なのです。でもこれは裏返せば、余計な配慮をしがちということ。

相手の言動や表情を深読みして気を遣い、精神的に疲れてしまいます。情報キャッチカが優れている反面、女性脳はストレスを感じやすいともいえるのです。

女性と男性の脳の違い

女性の脳は、男性の脳よりも相手の表情や感情を読み取るのが上手。気配り上手な反面、ストレスも感じやすい構造です。また、ストレスをやわらげる脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌量も男性より少ないので、小さなストレスの積み重ねも心の負担になります。