女性ホルモンと深い関係性の 『 副腎 』 『 甲状腺 』 とはどういうことでしょうか?女性の若さと健康を守るためには、エストロゲン と プロゲステロン というふたつの女性ホルモン のバランスがもっとも大切なことは、説明したとおりです。
でも、その点だけに気をつけていればいつまでも元気でいられるかというと、そういうわけにはいきません。実は、女性の若々しさのカギを握っている大切な 内分泌器官 がふたつあります。それが、『 副腎 』 『 甲状腺 』 です。
副腎は、腎臓の上にちょこんとのっている 3 g 程度しかない臓器で、腎臓と同様、左右にひとつずつあります。非常に小さな臓器ですが、私たちが生きていくために必要な約80 のホルモンのうち、約 50 を作っている大変重要な 内分泌器官 です。
内分泌器官 には、ほかにも、 甲状腺ホルモン を分泌する 甲状腺、 性ホルモン を分泌する 卵巣や 精巣 、インスリン を分泌する膵臓、成長ホルモンなどを分泌する脳の下垂体、睡眠にかかわるホルモンのメラトニンを分泌する脳の松果体などがありますが、
副腎が悪くなると、これらのホルモン分泌が総崩れになる可能性があるのです。また、 『 長寿ホルモン 』 とも『 若返りのホルモン 』 とも呼ばれる、 DHEA ( デヒドロエピアンドロステロン ) を分泌しているのも、副腎です。 DHEA は エストロゲン や テストステロン( 男性ホルモン) などの性ホルモンの原料になる上に、たんばく質の合成に働き、免疫システムを高め、ストレスに対抗しやすいからだを作る、驚くべきパワーを持っています。
男性ホルモンの一種ですが、いつまでも若々しい健康な人を検査してみると、男女間わず、DHEA がしっかり分泌されていることが確認できます。
甲状腺も、『 甲状腺ホルモン 』 を作っている、 内分泌器官 です。こちらは、のどのやや下のほうについている臓器で、幅が2 〜 3 cm、長さが4 〜5 cm ほどの大きさです。
甲状腺ホルモンにもいくつかの種類がありますが、その代表がサイロキシン(T4) と、トリヨードサイロニン(T3)です。
甲状腺が作っているのは主にT4 で、これが肝臓などでT3 に作り替えられ、体内で力を発揮するようになります。
甲状腺ホルモン の主な作用は、代謝です。食事からとった脂肪やコレステロール、糖などを体内でエネルギーに変えるときに働きます。そのため、甲状腺機能が低下してホルモンの分泌が悪くなると、非常に疲れやすくなり、からだが冷えます。
免疫力が落ちて風邪をひきやすくなりますし、精神神経系統にもかかわっているため、記憶力にも支障が出てしまいます。副腎のホルモンも甲状腺のホルモンも、女性ホルモンと常に連携をとって働いています。
そのため、副腎が疲れても、甲状腺が疲れても、女性ホルモンのバランスが乱れ、さまざまな悪影響が表れます。
あるいは、女性ホルモンのバランスが整っていても、副腎や甲状腺に問題がある限り、肌が荒れたり、うつ的になつたり、疲れやすくなったりするため、とても元気ではいられなくなってしまうでしょう。いずれにせよ、副腎と甲状腺を健やかに保つことは、女性が若さと健康のために絶対に欠かせないポイントなのです。
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