女性の老化防止の習慣 > 2021年 > 5月

副腎疲労 最近よく耳にする症状

副腎疲労

副腎疲労 は、最近よく耳にする症状です。 「 更年期障害 」 に比べると、 「 副腎疲労 」 という言葉には、まだ馴染みがないかもしれません。

副腎疲労 とは、文字通り、副腎が疲れている、という意味で、最近、マスコミなどで取り上げられ、健康に敏感な人々の間で話題になっています。

副腎は、いったい、どんなときに疲れてしまうのでしょうか。私たちの体内では、日々、さまざまな問題が起きています。

たとえば、血管内や臓器で小さな炎症が起きる、細胞が傷つく、がん細胞が発生する 。

これらは、多かれ少なかれ、誰のからだの中でも毎日発生しています。そうした諸問題に対応しているのが、からだの免疫機能と、ホルモンです。からだに問題が起きると、各内分泌器官から必要に応じてホルモンが分泌され、それに反応するかたちで、からだの各組織が問題解決に動き出します。

ですから、体内で何か問題が起きても、必要なホルモンがちゃんと分泌され、それに応じてからだの各組織がちゃんと働いてくれれば、私たちは病気にかかりにくく、新陳代謝が進むため、元気でいられるし、肌などの美しさも保っていられます。

しかし、からだの中で起きる問題が大き過ぎたり、多過ぎたりすると、各器官はホルモンがだんだん分泌できなくなっていきます。

特に、体内のすべてのホルモンのおおもとともいえる副腎は過労気味になり、やがて疲れ果ててしまうのです。

これが副腎疲労です。こうなると、全身は疲労感でいっぱいで、朝起きるのがとても辛くなります。

いくら休んでもなかなか疲れがとれません。記憶力や集中力が落ち、仕事にも影響が出ます。

よく眠れなくなり、気分もうつ的になります。肌は荒れ、髪はやせ、太りはじめる人もいます。

PMS が悪化したり、 性欲 が減退する人もいます。免疫力が落ちて、風邪や感染症など、病気にかかりやすくなります。

アレルギー症状がひどくなったり、 動脈硬化 や 糖尿病 になったりすることもあります。本当に重症の人は、そのまま寝たきりになってしまうこともあるのです。

さらに、副腎が疲れるとほかの内分泌器官にも影響が出ます。たとえば、副腎で作られるコルチゾール( ストレスホルモンとも呼ばれている) にはプロゲステロンの働きを抑える作用もあるので、ストレスがかかり副腎の調子が悪くなるとコルチゾールの分泌が増え、プロゲステロンの作用が抑えられることによってエストロゲン優勢状態になりやすく、PMS や更年期障害なども悪化しやすいのです。

ストレスが多い現代において、アメリカの場合、8割の人が多かれ少なかれ、副腎疲労に陥っているといわれています。日本の比率は不明ですが、かなり多いことは間違いありません。

多くの人は軽症なので、休息や軽い運動、食習慣の改善などで回復しますが、2割くらいの人は、病院での治療が必要です。すでにアメリカの抗加齢医学会をはじめヨーロッパの医学界では、あらゆる病気の治療において、まず副腎の状態を確認し、その治療にあたることが常識となりつつあります。

にもかかわらず、残念ながら日本には 「 副腎疲労 」 が正式な病名として未だに認められていないため、治療に保険がききません。

副腎を大切にするという考え方がなかなか広まらないのは、そんな理由が関係しているのでしょう。

女性ホルモンと深い関係性の 『 副腎 』 『 甲状腺 』

女性ホルモンと深い関係性の 『 副腎 』 『 甲状腺 』

女性ホルモンと深い関係性の 『 副腎 』 『 甲状腺 』 とはどういうことでしょうか?女性の若さと健康を守るためには、エストロゲン と プロゲステロン というふたつの女性ホルモン のバランスがもっとも大切なことは、説明したとおりです。

でも、その点だけに気をつけていればいつまでも元気でいられるかというと、そういうわけにはいきません。実は、女性の若々しさのカギを握っている大切な 内分泌器官 がふたつあります。それが、『 副腎 』 『 甲状腺 』 です。

副腎は、腎臓の上にちょこんとのっている 3 g 程度しかない臓器で、腎臓と同様、左右にひとつずつあります。非常に小さな臓器ですが、私たちが生きていくために必要な約80 のホルモンのうち、約 50 を作っている大変重要な 内分泌器官 です。

内分泌器官 には、ほかにも、 甲状腺ホルモン を分泌する 甲状腺、 性ホルモン を分泌する 卵巣や 精巣 、インスリン を分泌する膵臓、成長ホルモンなどを分泌する脳の下垂体、睡眠にかかわるホルモンのメラトニンを分泌する脳の松果体などがありますが、

副腎が悪くなると、これらのホルモン分泌が総崩れになる可能性があるのです。また、 『 長寿ホルモン 』 とも『 若返りのホルモン 』 とも呼ばれる、 DHEA ( デヒドロエピアンドロステロン ) を分泌しているのも、副腎です。 DHEA は エストロゲン や テストステロン( 男性ホルモン) などの性ホルモンの原料になる上に、たんばく質の合成に働き、免疫システムを高め、ストレスに対抗しやすいからだを作る、驚くべきパワーを持っています。

若返りホルモン DHEA サプリでも摂取できる

男性ホルモンの一種ですが、いつまでも若々しい健康な人を検査してみると、男女間わず、DHEA がしっかり分泌されていることが確認できます。

甲状腺も、『 甲状腺ホルモン 』 を作っている、 内分泌器官 です。こちらは、のどのやや下のほうについている臓器で、幅が2 〜 3 cm、長さが4 〜5 cm ほどの大きさです。

甲状腺ホルモンにもいくつかの種類がありますが、その代表がサイロキシン(T4) と、トリヨードサイロニン(T3)です。

甲状腺が作っているのは主にT4 で、これが肝臓などでT3 に作り替えられ、体内で力を発揮するようになります。

甲状腺ホルモン の主な作用は、代謝です。食事からとった脂肪やコレステロール、糖などを体内でエネルギーに変えるときに働きます。そのため、甲状腺機能が低下してホルモンの分泌が悪くなると、非常に疲れやすくなり、からだが冷えます。

免疫力が落ちて風邪をひきやすくなりますし、精神神経系統にもかかわっているため、記憶力にも支障が出てしまいます。副腎のホルモンも甲状腺のホルモンも、女性ホルモンと常に連携をとって働いています。

そのため、副腎が疲れても、甲状腺が疲れても、女性ホルモンのバランスが乱れ、さまざまな悪影響が表れます。

あるいは、女性ホルモンのバランスが整っていても、副腎や甲状腺に問題がある限り、肌が荒れたり、うつ的になつたり、疲れやすくなったりするため、とても元気ではいられなくなってしまうでしょう。いずれにせよ、副腎と甲状腺を健やかに保つことは、女性が若さと健康のために絶対に欠かせないポイントなのです。