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うつ病の症例 1「 眠れない 」

眠れない

夜なかなか寝つけない、早朝に目が覚めて眠れないなど、不眠に悩む日が長く続いていませんか。不眠はうつ病の初期によくみられます。

眠れない のは うつ病の初期症状の可能性あり

広告会社に勤務6年目のMさんの場合。
1週間前、Mさんは大きなプレゼンテーションを任されたものの、力及ばず仕事が獲得できませんでした。営業部から批判され、それ以来、自信喪失。慣れているはずの社内プレゼンの前夜に失敗する夢を見たり、深夜に目が覚めて朝まで眠れず睡眠不足で出社したことも。前夜、パソコンで準備をしても安心できずに眠れません。

うつ病の初期に「 眠れない 」と訴える人は多くいます。試験や旅行の前夜など、緊張や興奮のために寝つけなかった経験は誰にでもあるでしょう。ところが、うつ病の 不眠 は1ヶ月以上も続きます。寝つけない、熟睡できない、深夜に何度も目が覚める、いつもより2時間以上早く目覚めそれから眠れないなど、よく眠れない状態が1ケ月以上も続くなら、うつ病の症状かもしれません。

いい相談相手を見つけて緊張の原因を乗り越えることが大事

Mさんは、「プレゼンテーション」という緊張を呼び起こすイベントがある度に、失敗が不安で眠れません。特定のストレスがかかると、その期間眠れなくなる短期不眠の状態です。

安心するために事前準備をするのはよいことです。ただ、夜遅くまでパソコンに向かうと、脳が働き続け、脳内温度が上がり、ますます寝つけなくなってしまいます。さらに、「また失敗したらどうしよう? 」と寝る前に不安なことを考えていると 脳内神経伝達物質 の ノルアドレナリン が過剰に出てきます。ノルアドレナリンは、ストレスに反応して分泌されるもの。覚醒作用がありますから、過剰に出ると不眠のもとになります。一方、失敗する夢を見るのは、悪いことではありません。人間は、睡眠中に夢の中で情報整理をしています。失敗しないようにしっかり準備をしていたからこそ、夢に出てきたのだと考えればよいのです。

Mさんのような短期不眠に陥りがちなのは、緊張しやすいタイプの人。プレゼンに対する緊張が解ければ眠れるようになります。ただ、ほうっておいて不眠が長引くと、眠れないことに対する不安感も加わり、うつ病になる可能性もあります。長引くようなら睡眠薬を処方してもらい、寝つきをよくして、心身の疲れをとりましょう。自分を励ましてくれそうな人に不安な気持ちを打ち明けてみるのも効果的です。

仕事も人生も、成功と失敗両方あってあたり前。失敗をふり返り次に生かすことも大切です。また、寝る間際まで仕事やメール交換、電話での長話など脳内温度を上げることをするのは禁物。脳内温度を下げるには、ぬるめのお風呂に入り一旦体温を上げたほうが効果的です。これは、人間の体は、温まったあとに体温を下げるようにできているからです。体温と同時に脳内温度も下がるので眠りやすくなります。ぐっすり眠れば脳の疲れもとれて、翌日の仕事の能率も上がるでしょう。

強い不安感や不眠恐怖を感じるなら薬を上手に使って

Mさんのように、なにもかもが不安になってしまうのは、全般性不安障害の状態です。将来の経済的な不安、健康の不安、突発的な専政や災害に対する不安…と、特定の原因はないのに、生活や健康、あらゆるとが不安になり、その状態が6ヶ月以上も続くのです。不安感が強いと、実際には眠っているのに熟睡感がなく、夜になると「また今夜も眠れないかもしれない」と不眠に対する恐怖を感じることになります。

こうした不眠恐怖症の状態が3週間以上も続くと、朝になっても心身ともに疲労がとれず、日常生活に支障が出てきます。ほうっておくとうつ病になってしまうこともあります。まずは、薬を上手に使って不安感と恐怖感を取り除くことが先決です。

強い不安感が背景にある不眠では、睡眠薬だけ飲んでも効かないケースが多いので、心療内科や精神科で睡眠薬と抗うつ薬の両方を処方します。そして、眠れるようになり不安感が減ってきたら、再就職先を探したり、いざというときの備えをしたりして、不安に思っていることをひとつひとつ具体的に解決していくことです。
ヌーススピリッツ がおすすめです。

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