腸をも若返らせる水の効果 > 2018年 > 3月

心臓病のリスク回避にはマグネシウム

心臓病のリスク回避にはマグネシウム

マグネシウムも摂らないとカルシウムは機能しない。両者のバランスが大切。

カルシウムを含む水を飲むと、血管が丈夫になり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが下がります。しかし、健康そのものをよくするためには、カルシウムだけでは不十分です。

カルシウムの過剰摂取は逆に命を縮めてしまうため注意が必要です。カルシウムが細胞内に蓄積すると動脈硬化を誘発させ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしかねません。さらに高血圧の原因になり、脳細胞に蓄積されると認知症の原因になり、脊髄に溜まると神経の変性を引き起こします。

カルシウムの過剰摂取を防ぐには、マグネシウムと一緒に摂ることが大切です。マグネシウムはカルシウムの細胞内蓄積を阻止する物質です。カルシウムはマグネシウムの助けを借りなければ有効に作用できず、体にとって有害になることさえあります。

カルシウムとマグネシウムを豊富に含む水が心筋梗塞などの心臓病を予防するという報告が、フィンランド国立公衆衛生研究所のM・カルポネン博士のチームにより発表されています。フィンランドでは、以前より西部より東部ではるかに心筋梗塞による死亡率が高い状況でした。

こでカルポネン博士は、住民の飲み水の硬度を10年間にわたり追跡調査したのです。この結果、飲み水の硬度の高い地域に住む男性ほど心筋梗塞のリスクが低く、水の硬度が1 dH(dH =ドイツで使用されている硬度の単位) 上がると、心筋梗塞のリスクは1% 下がることがわかりました。
硬度の高い水を飲んでいれば心筋梗塞になりにくいといったように、水の硬度と心筋梗塞のリスクは逆相関にあるのです。さらに、カルポネン博士らは飲用水に含まれるフツ化物、鉄、銅、亜鉛、硝酸塩、アルミニウムなどの濃度も調べ、これらのミネラルと心筋梗塞の発症リスクとの関係も調べました。

するとフッ化物は心筋梗塞を防ぎ、鉄と銅は心筋梗塞のリスクを高めることがわかりました。そのほかのミネラルと心筋梗塞の発症率に差はあまりなかったとのことです。また、マグネシウムの摂取量が年々減ってきていることにもかカルポネン博士は注目しています。

厚生労働省が推奨する日本におけるマグネシウムの1日あたりの摂取必要量は男性は300mgほど、女性は250mgほどです。この数値を満たしていないと、心筋梗塞のリスクは高くなるといえるでしょう。

マグネシウムを多く含む海洋深層水

国産の海洋深層水 一覧
脳梗塞や心筋梗塞のリスク要因のひとつに高血圧が考えられます。高血圧は、最高血圧(収縮期血圧)が高い場合と最低血圧(拡張期血圧)が高い場合があり、原因は異なります。最高血圧が上がる原因のひとつは塩分の摂りすぎです。
塩分が過剰に入ると、細胞が余分なナトリウムを排出しようとして、血液循環が高まります。この症状の改善には、ナトリウムの排泄を促すカルシウムを含む水を飲むことが大切です。

いっぼう、最低血圧が上がる原因は、動脈硬化です。動脈硬化の改善には、高アルカリ性の硬水や海洋深層水がよいでしょう。海洋深層水は特にマグネシウムを多く含む水です。しかし、海洋深層水の選び方で注意すべき海洋深層水は水深200mより深いところにあるの深海水です。

深海のため太陽光は届かず植物プランクトンは光合成ができません。また、水温が低いので細菌が少なく、水面付近の水と混ざらないので、河川などからの環境汚染の心配もありません。海洋深層水の最大の利点は、「病原性細菌がほとんどいない安全な水が、自然の力によってつくり出されている」ことです。

しかし、海水なので、そのままでは塩辛く飲用水にはできません。汲み上げられた深海水は脱塩や殺菌処理が行われています。脱塩処理の段階でマグネシウムの量が少なくなってしまうこともあるので、海洋深層水を購入するときには、最低でもマグネシウムの含有量が300mg/L以上のものを選ぶようにしましょう。海洋深層水と謳う商品であってもマグネシウムの量が少ない場合はほとんど効果は期待できません。

マグネシウムの量が多い海洋深層水

知床深海の水 硬度 1000

カルシウムの豊富なアルカリ性天然水が日本にある

カルシウムたっぷり

動脈硬化が原因である血管障害による病気は、飲む水を正し予防を

脳梗塞、心筋梗塞を呼ぶカルシウム、パラドクス

脳梗塞、心筋梗塞は死と直結することもある恐ろしい病気です。特に最近は若い男性や女性も発症することがあり、突然死に至ることも少なくありません。このようなニュースを見ると私は「水に気を使っていれば、大事には至らなかっただろうに」と思うこともあります。

脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化が原因となる血管障害は、飲む水を正せば予防できる病のひとつです。コレステロールや中性脂肪などが溜まると血栓ができ、血管が詰まったり、硬くなったりして血液がスムーズに流れない症状を動脈硬化といいます。

「カルシウム・パラドクス」という言葉を知っていますか。「カルシウムが不足するとカルシウムが過剰になる」ことです。不足しているのに過剰になる、驚くでしょう。カルシウムは骨や歯を形成するミネラルと知られていますが、歯や骨以外の場所でもカルシウムは大事な働きを担っています。

体内に存在するカルシウムのうち約1%は筋肉や神経、体液に存在しています。この約1% のカルシウムの働きは偉大で、「血液の凝固を助ける」「筋肉の収縮を促す」「酸素を活性化させる」「心臓が正常に動くようにする」などの生命活動に必要な役割を持っています。そのため、血液中のカルシウム量を減らしてしまうのは非常に危険です。体内のカルシウム量は厳密に管理されており、カルシウム量が減少すると副甲状腺ホルモンが分泌されます。

この副甲状腺ホルモンが分泌されることが大変なことなのです。副甲状腺ホルモンの分泌は、いわば血液内のカルシウム量が減ってしまったことを伝えるSOSのサインです。

このサインが出ると骨に含まれるカルシウムが血液中に溶け出して補填するのです。このサインは一度出されるとすぐに止めることができません。必要以上に骨から血液中にカルシウムが放出されてしまい、血管壁に付着します。その結果、血管壁は硬くなり、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクを高めます。もちろんカルシウムを失った骨は骨租しょう症に陥ります。そのため、血液内のカルシウムが不足すると、血液内のカルシウムが過剰になるという「カルシウム・パラドクス」が起こります。

つまり、血液内のカルシウム量を維持すれば、多くの脳梗塞や心筋梗塞を防げるのです。

エビアンよりもすくれるアルカリ性の硬水が日本に

血液中の約1% のカルシウムを減らさないためには、カルシウムの豊富な天然水が有効です。天然水に含まれるカルシウムはイオン化されていて粒子が細かく、体内へほぼ100% 吸収され、効率よく摂取できます。カルシウムがよいのであれば、牛乳のほうがよいのではと思われますが、日本人の約80%は乳糖不耐症であり牛乳を消化する酵素を持っていません。

つまり、牛乳を飲んでも、大事な栄養成分をしっかり吸収し、体に活かすことができない人が多いのです。よって牛乳よりは、カルシウムを適度に含む硬水を飲んだほうが体によいでしょう。なかでもアルカリ性の硬水がおすすめです。

世界中で「奇跡の水」と知られるフランスの「ルルドの泉」の水は、ピレネー山脈の石灰層の地層で長い時間をかけてろ過されたカルシウムやマグネシウムを豊富に含む水です。そのルルドの泉の水と非常に似ている水が日本にもあります。

それは三重県の奥伊勢かはだ峡、大台山系台高山脈の地中奥深い鍾乳洞からわき出た水です。。この水の特徴は、硬度320mg/L、pH値7.7の弱アルカリ性です。エビアンなどにも似ていますが、エビアンと比較してもカルシウム量が多く、マグネシウム量が少ないうえに、よりアルカリ性です。岐阜県保健環境研究所の渡辺豊博士の研究によると、高血糖のマウスにこの水を飲ませたところ、血糖値が低下したことが確認されています。さらに、pH値7 以上のアルカリ度が高い水は、酸性のカラダをアルカリ性に寄せるため抗酸化作用が期待できます。
また、代表的なのは、桜島 活泉水です。

カルシウム、マグネシウムたっぷりの「生きた水」が病気予防になる

カルシウムとマグネシウム

カルシウム、マグネシウムがたっぷり含まれる「生きた水=生水」が体には必要

カルシウム、マグネシウムのミネラルにより腸内環境を整え、健康長寿を目指す

すべての健康は腸が握っているのですが、腸を鍛え元気にするには、免疫力を高める必要があります。医療を遠ざけ、健康腸(長)寿でいるために、腸の元気の源であるエサとなるものが大切です。

まずは食物繊維が豊富な野菜を食べることです。その次は、腸に棲む腸内細菌を活性化するための発酵食品を食べることです。それ以上に大切とも考えられるのは、腸の粘膜を健康にする水を摂ること。
免疫力アップで疲れ知らずの体

よい水が摂取されるだけで、腸の働きはよくなるからです。腸を元気にする水の条件は、天然の生きた水「生水」であることです。前述の通り、ペットボトルに入って「天然水」と名前がついているからといって本当の天然水とは限りません。

必ずラベルを確認し、まずは「ナチュラルミネラルウォーター」であることをチェックします。ナチュラルミネラルウォーターの条件は、特定の水源から採取された地下水を原水とし、地層にミネラルが溶け出している水のことです。

しかし、沈殿、ろ過、加熱殺菌は行われています。これ以外の処理を加えた水は日本ではナチュラルミネラルウォーターと名乗ることはできないのです。

非加熱でCaとMgを含む水

ナチュラルミネラルウォーターであることを確認した上で、さらに注目したいポイントがあります。そのナチュラルミネラルウォーターが「非加熱」であることです。加熱殺菌が行われると水の構造が変化し、体の働きを調節する生理活性能力が失われてしまいます。

加熱によってせっかくの生きた生水が「死んでしまう」のです。ですから、ナチュラルミネラルウォーターであるほかに非加熱という表記で、天然の「生きた水」であることがわかります。

2つ目の条件は、カルシウムがほどよく含まれていることです。カルシウムは腸のぜん動運動を活発にする作用があります。食べ物が消化される際にはぜん動運動によって腸の中を進み、必要な栄養素や水分は消化・吸収されていきます。
腸の働きがよくなると免疫力のアップにつながるのです。

3つ目の条件は、マグネシウムがほどよく含まれていることです。マグネシウムは便の水分量を増やして、便を軟らかくします。便秘は腸内細菌である悪玉菌の異常繁殖を促し、腸内環境を悪くさせます。また、便秘の人は大腸がんのリスクが高いこともわかっています。
マグネシウムを摂取する

増えすぎた悪玉菌が腐敗することによって、大腸の細胞を傷つけ、がん細胞へと変えてしまうのです。マグネシウムを含む水を飲むと、排便力が上がり、腸内の腐敗物質がなくなることで、免疫力が高まり、病気を防ぐのです。

カルシウム、マグネシウムだけはNG!

カルシウム、マグネシウムが含まれている水がよいからといって、カルシウム過多、マグネシウム不足などでは意味がありません。腸を元気にする水の条件を「ほどよく」としてあるのはこのためです。マグネシウムはカルシウムが血管内に蓄積するのを防ぎ、血清などの細胞外液にカルシウムを運ぶ働きがあるため、摂取バランスが大切です。

カルシウムとマグネシウムの理想的な摂取バランスは2:1です。どちらかが多くても少なくてもいけないのです。カルシウムを日頃から多く摂取している人はマグネシウムをよく摂るようにしましょう。

この理想的はバランスを持っている源水が、北海道東川町で採水される「大雪旭岳源水」です。

大雪山に降った雨や雪が地下水となり、粘土堆積層でろ過され、細菌類がほとんどいない清らかな飲料水と注目されています。
東川町には上水道の設備がありません。町民はこの地下水を家庭用ポンプで汲み上げ殺菌処理をせずに生水をそのまま飲んでいます。健康によい生水を飲んでいるためか、東川町は日本の百寿率第2位を記録したこともある長寿の町とし知られています。

カルシウム、マグネシウムの摂取基準量
  年齢 男性 女性
必要量 摂取量 必要量 摂取量
カルシウム(Ca) 15~17歳 650 800 550 650
18~29歳 650 800 550 650
30~49歳 550 650 550 650
50~69歳 600 700 550 650
70歳以上 600 700 500 650
マグネシウム(Mg) 15~17歳 300 360 260 310
18~29歳 280 340 230 270
30~49歳 310 370 240 290
50~69歳 290 350 240 290
70歳以上 270 320 220 270