逆流性食道炎というのは、強い酸性の胃液などが食道に逆流して、胸やけや胸痛、ノドの違和感などさまざまな症状を引き起こす病気です。
もともと日本人には少なかったのですが、食生活の欧米化、肥満増、ストレス増などが原因で日本人にも増えてきたというのが定説です。
放っておくと、ごくまれにですが食道ガンになることもあります。しかし、この逆流性食道炎も、糖質制限食によって劇的に改善します。
これまで逆流性食道炎の患者さん20人以上にスーパー糖質制限食を試していただきましたが、1人を除いて全員に明らかな症状改善がみられました。
一番印象的だったのは、30歳の男性患者さんです。この患者さんは中学生の頃から20年近くも、この病気に悩まされてきました。
毎日昼食後2時間と夕食後2時間に必ず胸やけがあり、カレーライスの日はとくに最悪で、夜中の1時頃にも胸やけがあって苦しんだそうです。
「だまされたと思って、とにかくスーパー糖質制限食を試してみてください」と勧めました。その2 週間後の外来診療で、この患者さんは驚きの報告をしてくださいました。
糖質制限食を始めた当日から、胸やけがいっさいなくなったというのです。20年来の苦しみまたたが、糖質制限食によって瞬く間に消えたのですから、その効果はまさに驚きです。カレーライスは「ご飯+ カレールウの小麦粉」で二重の糖質なので、寿司(ご飯+ 砂糖) とともにもっとも血糖値を上げやすい食べ物です。
正常人でも、ブドウ糖ミニスパイクを生じたときに代謝の乱れがあり、何らかのきっかけで逆流性食道炎の症状を引き起こすのでしょう。個人差がありますが、1回に摂る糖質量がその限度を超えると、胸やけなどの症状が生じるようです。