糖質制限食で血糖値がリアルタイムに改善したことを紹介しましたが、2型糖尿病患者さん( 65歳男性)が通常の糖尿病食と糖質制限食を摂ったときの血糖値の変動を調査したものがあります。
糖尿病食の検査ではいつもどおりの薬(アマリール1錠朝食前と2分の1錠夕食前、メデット3錠分×3食後)を内服し、2日後の糖質制限食の検査では内服をすべて中止してもらいました。
糖尿病食の場合は薬を2種類内服していても食後2時間血糖値は244、188、166と高値です。
一方、糖質制限食では薬なしにもかかわらず、食後血糖値は140、117、113 とほぼ正常と言っていい数値になっています。
糖質制限食では食後血糖値の改善効果がこのようにリアルタイムに現れるので、内服薬を糖尿病食と同じように服用していると、低血糖の恐れがあるので注意が必要です。
この患者さんがの場合以前では「アマリーヘモグロビン・エイワンシール2錠朝食前と1錠夕食前、メデット3錠分×3食後」を内服しておられ、ヘモグロビンA1Cは7.0% でした。
初診後はゆるい糖質制限食を実践していただき、内服薬を先のように減量して、同年6月入院時のヘモグロビンA1Cは6.4% でした。
退院後は、どうしても糖質を摂ることが時々あるとのことで、同年10月の検査では内服薬なしでヘモグロビンA1C 7.1 % でした。この患者さんの場合はスーパー糖質制限食中は、正常人なので、やむをえず糖質を摂るときは食事の直前にグルファスト1錠を内服するように変更しました。