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糖質制限食のおかげで半年間で10kg減らし、肥満と糖尿病を克服した

糖質制限食

私の飲酒歴は学生時代からで、タバコはいっさいなしです。身長167 cm、体重56 kgくらいでした。学生時代はお金がなかったので、札幌ジャイアンツ(当時の巨大な瓶ビール)や1升瓶の料理用ワイン、3倍醸造の安物の日本酒を飲んでいました。

3倍醸造酒は最悪で、2 日酔いどころか3 日酔いになるので日本酒が大嫌いになりました。それで社会人になってからは、ブランデーやウィスキーをもっぱら飲んでいました。

当時の私は結構な大食いで、割り勘負けは1度もなく、いくら食べても飲んでも決して太りませんでした。医学生時代は野球部に6年間所属していたので、その分の筋肉の貯金もあって、しばらくは基礎代謝が盛んだったのでしょう。

あるとき、尾瀬あきら作の漫画「夏子の酒」を読んで感動し、40歳の頃から純米酒に目覚めました。「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むならヱビスビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒…」てなキャッチコピーで、それまでのウィスキーやブランデーから純米酒とヱビスビールに切り替えて、毎日浴びるように飲んでいました。

主食は、病院では玄米で、家では胚芽米でした。当時は『粗食のすすめ』で有名な幕内秀夫先生の推進する「学校給食と子供の健康を考える会」にも関係していて、「学校給食を完全米飯に」という運動をしていたほどです。

外食中の食事や、出張中の駅弁では、おかずよりはとにかく米飯をしっかり食べるようにしていました。

肉や油脂をできるだけ控えた魚中心の食事を心がけ、それなりにカロリー制限もしていました。運動量は過2回のテニスの分だけ、社会人になりたての頃よりは多かったです。

しかし40歳を過ぎてから徐々にお腹が出てきて、体重も増えはじめました。年齢とともに筋肉量が減少して、基礎代謝が低下してきたのでしょう。「食事で蓄えられた中性脂肪」と「空腹時や睡眠時に消費される中性脂肪」のバランスが崩れはじめた時期だったと思います。

米飯を中心に炭水化物の摂取量は多かったので、毎日食事のたびにインスリンの大量分泌をくり返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も晴れの日も曇りの日も、律儀に純米酒とヱビスビールで飲酒後もインスリン追加分泌を生じていたのでしょう。

テニスの帰りにはスポーツジムにも寄るようになり、自転車こぎや腹筋・背筋運動もやりました。30代よりは運動量も増やして食事にも気を遣っていたのに、なぜか体重はさらに増加し、腹回りも順調に育っていきました。

肥満すればインスリン抵抗性が増して効きが悪くなるので、ますます過剰のインスリンを分泌せざるをえません。肥満ホルモンであるインスリン分泌の悪循環ですね。

52歳で糖尿病が発覚したときは体重が67 kgで、学生時代より10 kgも増えていました。
血圧は160/110、腹囲は86 cmと、メタポリックシンドロームの基準を見事に満たしていたのです。ここに至り一念発起して、糖質制限食を始めました。

肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で、主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒・ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒) としました。

辛口赤ワインだけは、醸造酒のなかでも血糖値をはとんど上げないので、適宜飲んでいました。純米大吟醸・ヱビスビール時代を知る友人たちからはブーイング続出でしたが、糖尿病・メタボとおさらばするために、背に腹は代えられません。

この間、スポーツジムはやめてしまい、テニスも週1回に減ったので、運動量は40代に比べて確実に減りました。

また、肉や妙め物や揚げ物など脂質をたっぷり摂ったので、油脂を控えていた時代に比べて総摂取カロリーは増えていました。お酒の量はまったく変わりませんでした。

運動量は減って、総摂取カロリーは増えたにもかかわらず、糖質制限食を始めて6ヶ月後には体重が10 kg減って57 kgに落ちました。血圧も120/70、ヘモグロビンA1Cも4.9% と改善しました。

メタポリックシンドロームも解消しました。このように、私の肥満(中年太り) には総摂取カロリーよりも糖質量のはうが色濃く関係していたことは間違いありません。

「糖質摂取で血糖値上昇→インスリン追加分泌→ 脂肪細胞表面にグルット4発現→血糖を取り込んで中性脂肪に合成して脂肪細胞内に蓄積」「糖質摂取で血糖値上昇→肝臓が取り込んで中性脂肪合成→中性脂肪は血中に放出→余分な中性脂肪は脂肪細胞に取り込まれて蓄積」という悪循環が、糖質制限食で断ち切れたのだと思います。

その後は現在に至るまで、体重56〜57 kgとはぼ一定で、血圧も120〜130/ 70〜80程度、ヘモグロビンA1Cは5.1〜5.6% 程度です。

現在の私は、主食を食べなければ正常人、主食を食べれば糖尿人です。きびしくヘモグロビンA1C4% 台を目指すのは「おいしく楽しく糖質制限食」が難しくなるので、いまぐらいで折り合いをつけておきます。

糖質制限食でこんな病気がよくなった私の体験談はこちら。

糖質制限食は3食やるのが理想だが朝、夕の2食でも効果大

糖質制限食のおかげでインスリン注射を中止できた

糖質制限食

私のインスリン注射から離脱できた体験談です。私(60歳)が2型糖尿病と診断されたのは5年前の年5月です。

空腹時血糖値が231mg/dl、ヘモグロビンA1Cが10.5% で、インスリン注射を開始しました(8単位×1日3回)。

10月には糖質制限食の本を購入して、自分で糖質制限食を開始しました。

翌年の年3月には、空腹時血糖値125mg/dl、ヘモグロビンA1Cが6.1 % に改善しました。

インスリン注射を「6単位×1日2回」に減量できました。2年後の7月に初めて糖質制限食を本格的に糖尿病治療に実践されているクリニックを受診しました。

インスリン注射を「4単位×1日2回」に減らしました。

その後、糖質にコントロール・教育入院をしました。

その時点の検査データは、空腹時血糖値137mg/dl、ヘモグロビンA1Cは、6.4% 、身長156 cm、体重49.4kgでした。

入院5日目の8月からインスリンを中止しました。

私が通常の糖尿病食(糖質60%)と糖質制限食(糖質12%)を摂ったときの血糖値の変動を比較すると、糖尿病食の場合、インスリンを注射していても、食後2時間血糖値は154、155、216と高値です。

一方、その5日後に検査した糖質制限食では、インスリンを中止したにもかかわらず、食後2時間は121、111、l10とまったくの正常です。

糖質を摂るか否かで、食後血糖値にこれほど大きな差があることをしっかり認識する必要があります。同年9月2日の退院時には、体重48kgでした。退院後も経過良好で、ヘモグロビンA1Cが6.2% 。3ヶ月後には、ヘモグロビンA1Cが6.0% 。

インスリンはそのままずっと5年間中止しています。その間、経口血糖降下剤もいっさい服用していません。

薬は使わずに、糖質制限食のみで血糖コントロール、ヘモグロビンA1Cの調整ができている「糖質制限食」はこちら。

糖質制限食でこんな病気がよくなった私の体験談はこちら。