もともと、老化の影響が強くでやく影響を受けやすい「目」は、昨今、パソコンの普及やスマホなどによって知らず知らずのうちに酷使され、そのストレスは急速に増えています。そのため、「最近視力が落ちた」「ものの見え方がおかしい気がする」といった目の違和感を感じている人も増えています。
実はこうした症状は単なる老化現象ではなく、重大な眼病のサインでもあることが少なくありません。そして、やっかいなことに眼病には特効薬が存在しないのです。ゆえに、健康な状態を回復するのが難しく、サインを見逃すことで視覚の異常や失明という最悪の結果を招くことにつながります。とり返しがつかなくなる前に日ごろから目の健康を意識し、病気の予防を心がけることが大切です。
そもそも、私たちの目はカメラによく似た構造をしており、レンズの働きをする「水晶体」、ピントの調節を行う「毛様筋」、光を透過する「硝子体」、フィルムの役割を担う「網膜」といった各部位が総合的に働くことで、目から入った情報を映像として認識します。当然、無意識のうちに行われるのでその精度の高い働きを自覚しないまま酷使しているのです。
しかし、器官のどれかひとつでも不具合が生じると、目から入ってきた情報が伝達されず、正常にものを見られなくなってしまいます。このような症状があらわれている状態が眼病とされます。
そして、眼病の代名詞として挙げられるのが、50代のほぼ50%、80代ではほとんどの人がかかる「白内障」。目のかすみ、光をまぶしく感じるなどの症状が特徴で、レンズの働きをする「水晶体」の白濁が原因です。また、「緑内障」「網膜症」「黄斑変性症」「飛蚊症」などにも要注意。これらは、初期症状を見落として、悪化させてしまうと失明にもつながる危険性が高い病気です。
目の病気が起こる原因
では、目の病気はなぜ起こるのでしょうか? 原因として挙げられるのは、「活性酸素」と「血管の老化・損傷」です。活性酸素とは、呼吸によってとり入れた酸素が体内で強い酸化力を持ったもので、紫外線や疲労、大気汚染、栄養の偏りなどによって発生します。
目は常に外部にさらされているため、環境による影響を受けやすく、活性酸素が生まれやすいのです。
また、目の毛細血管は非常に細く薄いため、詰まりやすく、破れやすいという特徴があります。血液の流れが滞ると、栄養が届かない部位に障害が起こります。さらに脂肪や糖分が血中にたまると、活性酸素が増加し、血管や細胞を錆びつかせて病気をさらに進行させてしまいます。そこで注目したいのが、ルテインです。
野菜や果物のように、常に紫外線を浴びて育つ植物には、活性酸素に対抗する力があります。目の健康を守る植物色素で代表的なものは
- アスタキサンチン
- アントシアニン
- リコピン
- ルテイン
です。
アスタキサンチンは、ヘマトコッカス藻に含まれる目の血液膜関門を通過できる数少ない成分です。目に入るとビタミンEの1000倍もの抗酸化力で活性酸素を除去します。
アントシアニンは、ブルーベリーなどに含まれる青紫色の色素成分。高い抗酸化力を持ち、毛細血管の詰まりや破れを防ぎます。視覚伝達物質を活性化して視力を向上させます。
リコピンは、トマトやスイカなどに含まれる色素成分で血管の保護、血流促進、活性酸素除去、細胞の老化防止などに働きかけます。最近は、このトマトのリコピンの成分に血圧を下げる作用が確認されトクホとして商品化されています。
血圧が高くなると眼圧も上がるので目には大きな負担となります。血圧が高く、さらに目のトラブルに悩まされている場合は、まずは血圧を下げることが先決です。
ルテインは、マリーゴールドやほうれん草に多く含まれる黄色の色素成分。活性酸素から目を守り、欧米では医療現場でも活用されています。