質のいい睡眠のための条件

一夜漬け問題、本当に効果があるの? 一夜漬けの疑問を解消

一夜漬けvsしっかり睡眠

寝てしまったら、覚えたことはどうなる?

今まで、一夜漬けで試験を乗り切ってきたという人も多いでしょう。勉強によっては

など、いろいろ言い訳がよぎります。

しかし、「寝てしまうとせっかく暗記したことを忘れてしまうのでは? 」という不安があったのも事実です。

さて、試験を控えて、寝ずに暗記作業を続けて試験に臨んだほうがいいのか、それともきちんと睡眠をとって臨んだほうがいいのか。これはある意味、学生の永遠のテーマですが、想像のとおり、36時間ぶっ続けで起きていたあとに記憶テストをしたら記憶力が低下していた、こういう研究結果は多いのです。

しかし一睡もしなければ集中力が低下して、記憶力が落ちるのは考えてみれば当たり前ですよね。

では、いろいろ覚えて学んだあとに睡眠をとると頭に残るのか、逆に忘れてしまうのか? これは正直、知りたいところでしょう。

ヒントになる面白い研究があります。記憶の「干渉効果」と睡眠とを調べた研究です。神経内科医のジェフリー・エレンボーゲン博士が「カレント・バイオロジー」誌に発表した論文をひもとく前に、記憶の干渉効果についてふれておきましょう。

干渉効果 とは、記憶した内容がほかの記憶した内容を邪魔してしまうために記憶成績が低下するという現象です。睡眠はこの「 干渉効果 」から記憶を保護してくれるというのが、エレンボーゲン博士の研究報告なのです。

記憶は睡眠によって保護される

エレンボーゲン博士らは、18〜30歳の健康な男女48人に、20ペアの関係を記憶してもらい、12時間後にペアをどれだけ覚えていられるかを調べました。

この48人を次の2 グループに分け、調査をおこないました。
1グループ目は、「覚醒グループ」。 朝9時に記憶したあと、ずっと起きたままでいて夜9時にテストを受けてもらいました。
2グループ目は、「睡眠グループ」。 夜9時に記憶したあと眠ってもらって、朝9時にテストをしました。さらにそれぞれのグループの半数のひとには20ペアの単語を覚えたあとに、別の20ペアの単語を見せて、記憶を妨害してみました。

その結果、妨害のない場合で、睡眠グループの成績のほうが覚醒グループより12% だけ好成績だったのですが、びっくりするのは、覚えた記憶にちょっかいを出して妨害した場合です。妨害( 干渉 )した場合では、睡眠グループの成練は覚醒グループをなんと4% も上回りました。

エレンボーゲン博士は、睡眠が干渉効果から記憶を「保護」する作用を持ち、深い徐波睡眠が海馬の機能と関係しているのではないかと考察しています。

徹夜で起き続けて暗記を続けるのもいいのですが、覚えたことが次に覚えることの邪魔になる…残念ながらこれが結果です。ひととおり学習を進めたら、ちゃんと睡眠をとって覚えたことを保護してあげるのが、得策のようです。

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